AGU(愛知学院大学)の差別をなくそう提訴報告会、成功する

 4月11日(金)午後6時より、イーブルなごやにて、「AGU(愛知学院大学)の差別をなくそう提訴報告会」が開かれました。21日の第一回期日(10時半、名地裁1103号法廷)を控え、急きょ呼びかけての開催でしたが、会場いっぱいの40名規模の参加者で賑やかに行いました。大学関係の方が多く参加され、市民の方や、労働組合の方の参加も一定あり、当ユニオンからも10名規模で参加しました。記者の方も複数参加され、関心の高さが感じられました。

 提訴を行った愛知学院大学の教員であるAさんは当ユニオンの愛知学院大学分会員でもあり、ユニオンとして団交も重ねてきた経緯もあり、司会を当ユニオンの鶴丸委員長が務めました。司会のあいさつの後、最初に原告のAさんが、「愛知学院大学を提訴するに至った経緯について」パワーポイントを使って報告しました。Aさんは、直接は昇進が異常に遅らされている昇進差別を問題にしているが、それは結果であり、その背景には人種差別・女性差別・ハラスメント・学問の自由侵害などの多くの問題があるとしました。じっさい、留学生や、大学院生らに対するひどいハラスメントがあり、これを指摘してもないがしろにされてきたことや、その背景にある事情も併せて詳しく紹介され、またそれを裏づける複数のビデオメッセージも流され、Aさんが提訴にふみきった思いが伝わりました。

 続いて代理人弁護士を務める弁護士の方々からの発言がありました。まず田巻紘子弁護士が、「裁判で何を訴えているか」の具体的な説明を行いました。昇任差別(平等取扱義務違反)・差別的取扱による嫌がらせ(不法行為)・大学による昇任差別を含むハラスメントの放置(職場環境配慮義務違反)を挙げて損害賠償請求を行っているとの説明と共に、社会から大学へ〝熱い視線〟を向けるようにとの熱い訴えもありました。さらに中谷雄二弁護士が、外国人差別や女性差別を平然と行う密室化した大学を変えていくことが提訴の意義だとしました。

 続いて、別の大学で組合を結成したら不当な雇い止めを受けて裁判を闘った方からの特別発言があり、この裁判の経験に学んで、この裁判でも支援する会を結成するなど、具体的な支援をし、また支援者を拡大していこうとの中谷弁護士からの提起もありました。

 これらの発言を受けて、質疑応答に移りました。提案や、大学の不当な対応の背景にある構造的な問題や、裁判で問おうとしていることの意味の掘り下げなど、いろいろな内容の発言が次々とあり、活発な意見交換となりました。そして最後にAさんが、こんな大学のままでは良くない、と、改めて決意と、第一回期日に多くの傍聴参加を呼びかけて、集会を締めくくりました。

 二時間余りの報告会でしたが、大学でこうしたひどい差別やハラスメントなどがまかり通っていることを改めていこうとの勇気ある闘いを、ユニオンとしても今後も担おうと、決意を新たにしました。皆さん、よろしくお願いします。

  

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